あこがれの女の子たちの話
昨年、とある記事を書くためだけに一度きりと思ってアカウントを作ったこれで、今年もなぜか文字を書いています。
だって、友達が合法的に雑に書いていいアドカレを作ってくれたから。
人生、そんなもんです。
たらたらしていたら、4,000字弱のお気持ちエッセイになってしまいました。
戻るなら今です。
女の子でよかったなって話
作家の西加奈子さんは、「女でいることがいやだ」と言いました。
それは他者から「女」として認識され、「女らしさ」を求められることに対する嫌悪を言っていて、性別や年齢、国籍をひょいと超えたいと。
そのとき、その言葉に頭をぶんぶんと縦に振りましたし、今でもぶんぶんします。
けれど、女で良かった、と思わずにはいられません。
だって、女の子って皆、可愛くて愛おしいから。
女の子は素晴らしいです。
女の子を女の子として存分に楽しんでいる子。女として産まれてしまったから女の子をやっている子。そうでなくても女の子の子。色々な事情の子がいるとは思うけど、目の前にいる彼女たちが、自分のためや誰かのためにお化粧している姿やお洋服を考えている姿を想像するとたまらなく愛おしく感じます。
髪から爪から整っていて、背筋が綺麗に伸びている女性を見ると、もしかしたら昨日辛いことがあったのかもしれないのに...と勝手に考えて愛おしくなります。
そのヒールを脱いで、こっちに座って。
ほら、どうぞ。
私が今から履きやすそうな靴と窮屈じゃない服を持ってくるから、自分を甘やかしてあげて。
と半ばナンパしたくなる。
えらいね、頑張っているね、今日も変わらず可愛いよ。
自分のために頑張っているあなたも、誰かのために背伸びするあなたも等しく美しいよ。
って言いたくなる。
女の子市場を女の子らしく生きている健気さに、苦しさと一緒に愛おしさを感じる。
女として扱われることは気持ち悪いなあ、と思うし、男とか女とかど〜でもいい、って思う。
だから、美しい額縁の中でお澄まししている女の子を見ると、額縁をぶち割りたいような気持ちにもなって、それでも、ほこりを被らないようにはらってあげたいような気持ちにもなる。
結果、愛おしくてぎゅーってしたくなる。
そういうことを実際にしても、友人であれば多分引かれない。
だから、女で良かったと思っている。少しコンプライアンスが微妙な発言だけど。
女の子のすぐ近くで女の子を見ていられるから。
もちろん、他にもたくさん理由はあるけどね。
というわけで、どういうわけで?
私の大好きな、憧れの女の子の話をします。
といいつつも、私の憧れは私のパーソナルに大きく左右されるし、何の実にもならない自分語りをはじめてしまうと思うので、苦手な人はUターンしてくださいね。(1年ぶりの逃げの前置き)
私の憧れはいっぱいいて、著名な方だと、冒頭に少し触れた西加奈子さん、それから椎名林檎さん、杉咲花さん、今の推し。
最初は大道寺知世ちゃん。
次が、中学時代。2つ上の部活の先輩。
「自分が自分のことを可愛がらなきゃだめだよ。私はかわいい!」
って言った、本当に可愛い先輩。
先輩が卒業する日、私はびっくりするくらい泣いた。
卒業式で泣いたのはこれが最初で最後だった。
数年前に部活の同窓会で会ったけど、相変わらず可愛かった。
そろそろ本題に入りたい。
そう、ここまでの話、実は前座。長いでしょ。ごめんね。
こんな感じでだらだら話すから、もう一度言うけど、嫌だったらUターンですよ。(2度目の逃げの前置き)
さて、今日は2人、お話ししたい女の子がいる。
なんか、すごく不安そうだった女の子の話
まずは今の推し。
彼女と出会ったのは比較的最近で、なんとなくラジオを垂れ流しにしていた時に聴いためちゃくちゃ不安そうな声の持ち主が、声優/アーティストの上田麗奈さんだった。
事務所HPではなく、アーティストのHPになります。各種サブスクでも聴けますよ。
ラジオはよくきいているので、声優さんがやっているいわゆるアニラジはよく聴いていた。
けれどそれ以上はなくて、アニメを声優さんに注目して見るようになったのは彼女がきっかけで、今年度に入ってからだと思う。
彼女に対して最初に抱いた感情は、「だ、だいじょうぶ?」だった。
流暢に、小気味好く、軽快なトークをするパーソナリティも多い中、たどたどしくて、びくびくしていて、「うーん」って悩みながら喋っていた。
でも、ちゃんと聴いてみると、言葉にすることの難しさを感じながら、難しい、苦しい、と認めながらも向き合う強い女性がそこにいた。
そういう現実的な強さにものすごい魅力を感じて、一気に引き込まれた。
彼女はよく「できない...」とこぼすと同時に「それでもね、頑張ってみるって決めたから」って言う。
小さな違いだけれど、「頑張ってみる」ってすごいと思った。
「頑張る」よりも軽くて明るかった。
特に彼女の透き通った桜の花びらみたいな声で言われた言葉の威力はすごくて、ぶわぁと色々なもどかしさを飛ばしてくれた。
以来、彼女の言葉に耳を傾けるようになり、気づいたら大道寺知世ちゃんに憧れて伸ばし続けた髪をバッサリ切っていた。
見た目が変わったって何も変わらないことは知っているけど、彼女みたいな心意気がないから形から入るしかない。
心なしか気持ちは明るい。
火曜日は彼女のラジオ。
今日も聴こう。
上田さんは、中学のとても尊敬する友人がきっかけで声優の仕事を知ったそうだ。
そんな話を聴いて、私にも尊敬する同級生がいたな、と思い出した。
素敵な思い出をくれた女の子の話
今日お話しする2人目は、その子。
中学の同級生のみっちゃん。
中学の同級生、読んでないと思うけど、読まないでね。
みっちゃんとは2年生のときに同じクラスになった。
みっちゃんはしっかり者で、真面目で、ちょっと抜けているところが可愛くて、卓球がめちゃくちゃ上手で、優しくて、、、素敵なところをあげたらキリがない、みんなに好かれる明るい学級委員長タイプで、実際、学級委員長もやっていた。
私の受験前日に手作りのお守りを家まで届けてくれるくらい素敵な子だった。
卓球は本当にすごくて、3年生の時には全国大会に出場するくらいだった。
そんなに上手なのに、体育の時間、球技がこれきしな私に付き合って卓球を教えてくれた。
2球に1球はヘマする私に怒ることもイライラすることもなく、ニコニコと相手をしてくれた。
なんなら「教え方が下手だから!ごめん!」と言った。
そんなこと全然ないのに。
なんて優しいんだ、と思った。
卓球がうまいのは、才能もあるけど、何より努力の賜物だったと思う。
みっちゃんの全てを知っている訳じゃないけど、すごく真面目で努力家だったから、卓球もそうだったんだろうな、と思っている。
中学時代の私は、成績こそまあまあだったけれど、すでに八方美人でガチガチに固めていたから、素直に努力できるみっちゃんは、本当に眩しくて、かっこよかった。
一緒に学級委員をやったこともあった。
ちょうど体育祭の時期で、吹奏楽部の大会が忙しく、そもそも「体育できない人間がこの時期に委員をやるべきじゃないやろ...」という気持ちがあったし、さらに言ってしまうと、この委員は私の意思とは関係ないところで決まっていたので、全く気分が乗らなかった。
でも、みっちゃんと一緒にお仕事ができて楽しかったし、近くで彼女の素敵さを吸収できて誇らしかった。
私を「面白い」と初めて評価してくれたのもみっちゃんだった。
「いつも会話の返しが本当に面白いんだよ〜!」と言ってくれた。
嬉しかった。
みっちゃんとの思い出以外、ほとんど記憶がない中学時代。
思い出すのは、部活の顧問に言われた鋭い言葉の数々で、中学時代を思い出すだけで胃がキリキリする。
その中で、みっちゃんのこの言葉は唯一と言っていいくらい純粋に嬉しくて美しい思い出。
あ。
みっちゃんのことで一番大事なことを話していなかった。
彼女は「ありがとう」をちゃんと言う子だった。
回ってきたプリントを受け取るときだけじゃない。
返却されるテストを受け取るとき。
全校集会で300人以上が見守る中、校長先生から表彰状を受け取るとき。
とにかくどんな時でも、本人に、そしてみんなにも十分に聞こえるくらいにちゃんと「ありがとうございます」と言った。
広い体育館でみんながシンとしている中に響くみっちゃんの「あっとーございます!」は本当に清々しくて、晴れやかで、気持ちがよかった。
すぐに真似した。
ありがたいことに何度か登壇して表彰状をいただく機会があったから、私も「あっとーございます!」と言った。
みっちゃんみたいな爽やかさは多分なかったけど、私の心は晴れやかだったからそれでいい。
多分、先生の間でもあいつは勉強もできて礼儀もちゃんとしているやつって思えてもらえていた。
校長先生の顔は覚えてないけど、多分ニコニコしていた。
そういう中学生だった。
あと記憶にある思い出は、受験の合格発表の日。
不安すぎて、あまりに私がため息をつくものだから、隣の席の男の子が「次ため息ついたら今日の掃除サボるからな〜いいのか〜?」って言ってくれた。
確かそのあと普通にため息をついたけど、いい奴だな、と思った。
いつの間にか中学の思い出話にすり替わってしまったが、中学時代に出会ったみっちゃんは本当に素敵な女の子だった。
みっちゃんは私以外にたくさんの友達がいたし、こんなことより素敵な思い出があるだろうから、懐古しているのは私だけだと思う。
だけど、今の私の中の少しの部分はみっちゃんへの憧れでできている。
私の人生の中で出会ってくれたたくさんの女の子たち。
大道寺知世ちゃんからはじまった、たくさんの女の子たち、女性たちへの憧れは今の私を作ってくれている。
アニメのキャラクターも、小説の中に出てくる女の子も、その作者さんも、テレビの向こうの子も、身近な人、例えば、サークルの2つ上の好きすぎる先輩も、本当に感謝しています。
そういうお話。
おしまい。